La Festa Mille Miglia 2015

大会レポート

【大会レポート3日目】2015年10月18日

ゴールを目指して戦うメカニック

いよいよラ・フェスタミッレミリア2015も終盤戦に入ってきた。3日目となる18日も前日と同様300km以上の長い一日となった。長野県軽井沢を出発した一行は、山梨県河口湖町、静岡県御殿場市、神奈川県箱根町と一気に南下。幸いにもきょうも晴天に恵まれ、エントラントは日焼け止めを塗りながらの走行となった。

初日からトータルすると900km超、インターナショナルブガッティミーティングからの参加者は、約10日間で合計1900kmを超える走行をこなしてきた。現代車であればそれほど問題ない走行距離ではあるが、1920年代から1960年代のヒストリックカーであることを考えると、なかなか過酷なスケジュールであり、人もクルマも疲労がたまってくるタイミングだ。

事実、少しずつトラブルを抱えるクルマが多くなってきた。そこで登場するのがメカニックたちだ。サポートとして専属のメカニックがそれぞれのクルマに付き添い、適宜トラブルを解決、応急処置を施しながらゴールへと導いているのだ。しかし、そのクルマがトラブルを起こし、パーツがないなど、そのメカニックが手におえない場合もある。そんな時、ほかのサポートのメカニックが手や知恵、パーツを貸したり、仲間を紹介するなど、お互いに助け合いながら、そのクルマを走らせようと努力しているのだ。

更に、様々な理由によりサポートをつけていないエントラントもいる。そういったクルマがトラブルを抱えた場合も同様だ。もちろん自分たちのクルマを優先的に整備するのは当然だが、その空いている時間を上手に使って助けようとしていた。その理由をあるメカニックは、「せっかく参加して走っているのだから、ぜひ1台でも多くゴールをしてほしい。みんなそれを願って助け合っているのだから」と語っていた。

この原稿を書いている時間は深夜3時を過ぎている。この時間もゴールを目指してメカニックたちは奮闘している。彼らもラ・フェスタミッレミリアを戦っているのだ。

ラリー最終日となる4日目は、箱根、大磯プリンスホテル、江の島、葉山と海沿いを走行した後、横浜、銀座を抜けて、スタートと同じ明治神宮にゴールする予定だ。

(文&写真:内田 俊一)
富士山を背に西湖湖畔を行く参加者たち
富士山を背に西湖湖畔を行く参加者たち
ブガッティたちが箱根の仙石原すすき草原を横に見ながらゴールへと急ぐ
ブガッティたちが箱根の仙石原すすき草原を横に見ながらゴールへと急ぐ
すすきの草原とMG PA MIDGET
すすきの草原とMG PA MIDGET
この暗闇の中、ヘッドライトの光源を頼りに、メカニックはこれから作業を開始するのだろうか。
この暗闇の中、ヘッドライトの光源を頼りに、メカニックはこれから作業を開始するのだろうか。
美味しい食事と楽しい会話がエントラントの活力につながる。
美味しい食事と楽しい会話がエントラントの活力につながる。
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