La Festa Mille Miglia 2016

大会レポート

【大会レポート4日目・表彰式】2016年10月17日

最後まで首位を独走 竹元夫妻が8連覇

最終日となった4日目は、これまでの晴天から一転して朝からの雨。バルケッタのエントラントはレインウェアに身を包み、また、幌が付けられる車は幌を装着し、約250kmの移動に備えた。屋根のある車も、雨の日は車内が曇るため前後左右が見えづらい。エントラントたちはみな、慎重な面持ちでハンドルを握り、箱根を後にした。

雨の伊豆スカイラインは濃い霧に包まれ、ほとんど何も見えない状態が続く。海が見えるあたりまで下ってくると、ようやく視界が晴れて一安心したのも束の間、雨が勢いを増し容赦なく降りかかる。そんな天候の中でもPC競技は行われ、濡れることもお構いなしに、車から身を乗り出して計測ラインを目視しながらタイミングを合わせるエントラントの姿も多く見られた。

雨にも関わらず、最終日も各ポイントには地元の人たちが応援に来てくれ、声援を送ってくれた。その声は、過酷な条件下で走らなければならないエントラントたちを励まし、奮い立たせてくれた。

海岸沿いを走り熱海を抜けると、大磯と江ノ島、葉山を経由して横浜へ向かう。山から海、そして都心へと雨に濡れた景色が目まぐるしく変わる。横浜を過ぎると、いよいよ東京へ。日本橋の三越前を通過したあと、今年は赤坂の迎賓館前を通るルートが用意されており、初出場のエントラントはもちろん、何度も出場しているエントラントも、新鮮な気持ちでゴールへ向かったことだろう。

ゴールとなる明治神宮には、すでに大勢の人が詰めかけ、エントラントたちの到着を待ちわびていた。会場に次々と車が入ってくると、4日間で約1,160kmを走りきった車とエントラントを称える声援が送られ、温かな拍手が鳴り響いた。いつの間にか雨もあがり、夕日が顔を覗かせ、天気もこの瞬間を祝福してくれているようだった。ゴールセレモニーでマイクを向けられたエントラントたちは、みな口々に「大変な4日間だったけれど、本当に楽しい4日間でもあった」と言っていたが、これこそがまさにこのイベントを象徴している言葉だろう。

その夜は、彬子女王殿下をドレスアップしたエントラントたちがお迎えし、4日間を振り返りながら食事とお酒を楽しんだ。会場では、これまでに開催された19回分のラ フェスタ ミッレミリアの映像が流され、当時を懐かしむエントラントもいれば、以前はこんなコースを走っていたのかと興味深そうに見つめるエントラントもいて、それぞれが自分の中のラ フェスタ ミッレミリアに思いを馳せているようだった。ソプラノ歌手・田中彩子さんのステージを堪能したあとは、いよいよ表彰式へ。

第3位となったのは、イタリアのミッレミリアで2度の優勝経験を持つNo.49のモッツィ・ビアッカチーム。2014年からこのラ フェスタ ミッレミリアに参戦している彼らだが、3年連続で3位以内の入賞を果たした。今回は、初日の6位から徐々に順位を上げ、最終的に3位を獲得するという強さを見せた。第2位は、過去に何度も入賞を果たしているNo.46の瀧川親子チーム。4日間を通して安定した走りを見せ、2位の成績をキープしながらの入賞となった。そして優勝は、今回でなんと8連覇となるNo.3の竹元夫妻。4日間、誰にも首位の座を譲らず、独走状態での優勝となった。驚くことに、1位の成績を4日間キープしたまま優勝するというこの状態は、2011年から続いている。竹元夫妻の連勝記録に、会場からは惜しみない拍手が送られた。

4日間の日程がすべて終了し、表彰式が終わる頃には、日付が変わろうとしていた。エントラントたちはまた会う約束を交わし、祝杯の余韻に浸りながら会場を後にした。

ラフェスタミッレミリア2016が開催された模様は、12月24日(土)に、BSフジにて放送予定となっている。また、春に開催されるラ フェスタ プリマベラ 2017は、4月14日から行われる予定だ。

(文&写真:岩本 美香)
4日間、誰にも首位の座を譲らず勝利した竹元夫妻
4日間、誰にも首位の座を譲らず勝利した竹元夫妻
うみえーる長浜でPC競技に臨む NARDI-DANESE BOBY SPORT 750
うみえーる長浜でPC競技に臨む NARDI-DANESE BOBY SPORT 750
葉山を通過する LANCIA FLAMINIA SPORT ZAGATO
葉山を通過する LANCIA FLAMINIA SPORT ZAGATO
迎賓館前を走る ASTON MARTIN 15/98 2L SPEED
迎賓館前を走る ASTON MARTIN 15/98 2L SPEED
笑顔でゴールする BUGATTI T37A
笑顔でゴールする BUGATTI T37A
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