La Festa Mille Miglia 2017

大会レポート

【大会レポート1日目】2017年10月13日

20年目のラ フェスタ ミッレミリア 2017が開幕

現在の形式のラ フェスタ ミッレミリアが誕生したのが1997年。イタリアのミッレミリアの姉妹イベントとして毎年秋に開催されるこの大会も、今年で20年目を迎えた。20周年記念大会となる今回も、100台を超える車がエントリー。13日の正午に東京・原宿の明治神宮をスタートし、4日間で約1,100kmを走破する。

朝からあいにくの雨模様となったが、スタート会場は熱気に包まれ、彬子女王殿下が見守る中、みな元気よく出発していった。また、雨にもかかわらず神宮橋にはたくさんの人たちが応援に駆けつけ、エントラントたちにエールを送ってくれた。

明治神宮を出ると、代官山蔦屋でPC競技(決められた区間を決められた秒数で走る計測競技)が結果公開形式で行われた。発表されるタイムに一喜一憂しながら、エントラントたちは東京を離れ次の目的地へ。4日間で最初の競技となるここでの結果は、公開形式ということもありメンタルに及ぼす影響が大きいといわれている。クラシックカーラリーの競技も他のスポーツと同じように、技術と心が伴わなければ勝つことはできないのだ。

東京を離れると、群馬県の赤城高原SAのスタンプポイントへ向かって一気に北上。群馬県では昭和村の道の駅あぐりーむ昭和や、高山村のロックハート城と合わせて3つのスタンプをもらい、その後みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンターへ。ここでは難易度の高い連続設定の競技が予定されていたが、濃霧のためあえなく中止となった。

競技ももちろん重要ではあるが、ラ フェスタ ミッレミリアでは、すべてのスタンプポイントでスタンプを押してもらうということがとても大切。1つでも欠けていると、4日間完走しても最終的な順位の対象となる資格を失ってしまう。決められた場所でスタンプを押してもらうということが、なによりも大事なことなのだ。

1日目のゴールとなる新潟県湯沢町のNASPAニューオータニに到着すると、辺りは暗闇に包まれ、ひんやりとした空気が漂っていた。ここで1日目最後のスタンプをもらったエントラントたちの表情には、雨の中を約270km走ってきた疲れも見え隠れしていたが、ホテルの前で到着を待っていた人たちに、笑顔で応えていた。

イタリアのミッレミリアは、世界で最も美しいクラシックカーの祭典と称されているが、同時に最も過酷であるともいわれている。今から90年以上前に作られた車を、1日に300km近く走らせるのは簡単なことではない。1日目からホテルの駐車場では、メカニックたちが遅くまで作業を行い、足りない工具などはお互いに助け合いながら整備を続けていた。彼らは、1台でも多くの車が無事完走できることを願いながら、真剣に車と向き合っている。

2日目は、新潟県の湯沢町から長野県の軽井沢町まで、約330kmの道のりを走る予定。1日目に続き、天気が気になるところだ。

(文&写真:岩本 美香)
彬子女王殿下が見守る中、明治神宮をスタートする STANGUELLINI 750 S
彬子女王殿下が見守る中、明治神宮をスタートする STANGUELLINI 750 S
屋根のない車は傘をさしながらスタートを待つ
屋根のない車は傘をさしながらスタートを待つ
スタート前の交通安全祈祷
スタート前の交通安全祈祷
NASPAニューオータニでスタンプをもらう STANGUELLINI S1100
NASPAニューオータニでスタンプをもらう STANGUELLINI S1100
BUGATTI T13 BRESCIA を整備するメカニック
BUGATTI T13 BRESCIA を整備するメカニック
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