La Festa Mille Miglia 2018

大会レポート

【大会レポート3日目】2018年10月21日

爽やかな秋晴れで幕を明けた後半戦

後半戦に入り、ようやく天候に恵まれた3日目。朝から気持ちのいい青空が広がる。朝露に濡れた車体を丁寧に拭きながら暖機を行い、出発に備えるエントラントたち。この日のスタート時刻は6時45分と、いつになく早い時間が設定されていた。

ロングドライブとなる3日目は、福島県から栃木県を経由して、千葉県の成田市へ向かう約450kmのルートを走る。紅葉が綺麗なこの時期、これまで天候が安定しなかったため、あまり景色を楽しむ余裕がなかったが、この日最初のポイントとなるブリティッシュヒルズへ向かう途中、猪苗代湖畔から望む風景に、心奪われる瞬間があった。青い空と湖、山々の色鮮やかな木々は見事なコントラストを生み、この時期にしか見ることのできない美しい表情を見せていた。

福島県を抜けて栃木県に入り、日塩もみじラインを走ると、ここでも色とりどりの木々たちが目を楽しませてくれた。ワインディングロードは紅葉のトンネルになっていて、木漏れ日や風が心地よく、疲れを忘れさせてくれる。

栃木県の最後のポイントとなるヒーローしのいサーキットを出ると、高速道路を使って、一気に成田市を目指す。成田市では日本自動車大学校でPC競技が行われたのだが、後半の車が到着する頃には辺りはすっかり暗くなり、計測ラインが見えにくい状況に。エントラントたちは必死に計測ラインを目で追いながら、タイミングを合わせていた。

3日目は日曜日で快晴だったため、2日目に続き大勢の地元の方たちが、各ポイントに応援に来てくれた。ルート上でも、笑顔で手を振ってくれている姿をあちこちで目にした。人も車も疲労が隠しきれなくなってくる後半戦。地元からの声援に勇気づけられながら長い道のりを走り切り、ANAクラウンプラザホテル成田に無事に到着した車たちは、メカニックたちによるメンテナンスへ。

1日目から毎晩遅くまでメンテナンス作業を行っている彼らの存在を抜きに、このイベントを語ることはできない。車の状態がギリギリでも、どうにかして完走してもらいたいという強い思いで、彼らはこの4日間をエントラントと共に戦っている。時には、自分が担当するエントラント以外の車を診ることもあるが、その場合でも全力で取り組む姿勢は、まさに職人そのものだ。彼らに救われた車やエントラントは、数え切れない。今夜も駐車場では、作業が続いている。

最終日となる4日目は、千葉県から東京の日本橋を経由して、ゴールの明治神宮を目指す約235kmのルートを走る。誰が優勝となるのか、勝負の行方も気になるところだが、まずはすべてのスタンプを受けて完走することが大事。4日間の旅の終わりは、どんな結末を迎えるのか。

(文&写真:岩本 美香)
ハンターマウンテン塩原で結果公開形式のPC競技に臨む FIAT SIGHINOLFI 1100S
ハンターマウンテン塩原で結果公開形式のPC競技に臨む FIAT SIGHINOLFI 1100S
紅茶とスコーンが振る舞われたブリティッシュヒルズでスタンプを受ける MG PA
紅茶とスコーンが振る舞われたブリティッシュヒルズでスタンプを受ける MG PA
ブリティッシュヒルズでのPC競技に挑む MG C-TYPE
ブリティッシュヒルズでのPC競技に挑む MG C-TYPE
ヒーローしのいサーキットのサーキットコースを使用したPC競技に挑む PORSCHE 356 A SPEEDSTER
ヒーローしのいサーキットのサーキットコースを使用したPC競技に挑む PORSCHE 356 A SPEEDSTER
遅くまで BUGATTI T40 を整備するメカニック
遅くまで BUGATTI T40 を整備するメカニック
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