【大会レポート3日目】2019年10月27日
完走できるかどうかがカギとなる後半戦
後半戦に入った3日目も、雨の朝を迎えた。無情の冷たい雨は、いつまで続くのか。この過酷な天候に、じわじわと体力を奪われていくエントラントと車たち。競技も大事だが、まずは明治神宮まで無事に完走することが最優先だ。ロングドライブとなる3日目は、車の調子も気になるところ。
この日は、福島県から栃木県を経由して、千葉県の成田市まで、約490kmを走るルートが用意されていた。3日目にこれだけの距離を走るのは非常にハードだが、各ポイントで到着を待っていてくれる地元の方たちの応援が、エントラントたちを突き動かしていた。
福島県内の7つのポイントを巡り、東北での旅を終えると、栃木県へ。山あいのワインディングロード・もみじラインを走ると、色鮮やかな紅葉のトンネルが迎えてくれる。色づいた山々は所々霧が立ち込め、神秘的な表情を見せている。しっとりと濡れた木々は、より色の濃さを増し、この時期にしか見ることのできない景色を楽しませてくれた。
栃木県では4つのポイントを巡ると、高速道路を使って、一気に成田を目指す。道中、強い雨がエントラントたちに追い打ちをかける。すでに辺りは暗くなり、気温も下がり始めている。屋根のない車はその影響を直接受けるため、疲労もピークに。
この日のゴールとなる、ANAクラウンプラザホテル成田に到着したエントラントたちは、疲れ切った表情を見せてはいたものの、ここまで無事に辿り着けてよかったと、安心した様子で口にした。人だけでなく、悪天候のなか長距離を走ってきた車たちも、さすがに疲労の色を隠せない。
ホテルの駐車場では、あちこちでメンテナンスのための灯りがともり、その作業は遅くまで続いていた。メカニックたちは毎朝晩、時間をかけて車を調整し、1台でも多くの車が最後まで完走できるようメンテナンスを行なっている。彼らは、自分の担当する車だけでなく、時にはパーツや道具を助け合いながら、困っているエントラントがいれば、手を差し伸べてくれる、本当に頼もしい存在だ。彼らもまた、エントラントと共に4日間を戦っているのである。
最終日となる4日目は、千葉県内のポイントを巡り、ゴールとなる明治神宮を目指す、約230kmのルートが用意されている。果たしてどれだけの車が、無事に最後まで走り切ることができるだろう。成績も気になるところだが、笑顔でゴールを迎えられるよう、何よりも完走することが大切だ。
(文&写真:岩本 美香)
スタンプポイントの大内宿に並べられた車たち
道の駅 ばんだいで磐梯町の佐藤町長からスタンプを受ける FIAT 508S BALLILA SPORT
ハンターマウンテン塩原で結果公開形式のPC競技に臨む FIAT S.I.A.T.A. 508
ヒーローしのいサーキットのサーキットコースを使用したPC競技に挑む FIAT BALLILA
遅くまで OSCA MT4 をメンテナンスするメカニック