企画主旨

企画趣旨 2002年以来、フランスに本拠を置く国際クラシックカー連盟よりアジアで唯一国際規格のイヴェントとして公認されているLa Festa Mille Migliaは1997年に誕生いたしました。
「古いものに敬意を」「いくつになっても心・少年」「イヴェントに参加するすべての人々と友情の輪をひろげる」という基本精神は14回目を迎えても初年度から不変です。

21世紀になって10年、高速道路や新幹線は益々整備され、GPS、パソコン、携帯電話など、テクノロジーは目覚しい発展を遂げ、半世紀前と比較して生活は一変し、望むなら誰でも日本中どこにでも容易に行くことが可能な時代です。

一方、半世紀以上前に製作された参加者の車は、コンピューターもナビもなく、操る人間の腕力、脚力、聴力、嗅覚、視覚をひたすら駆使して動くという厄介な代物です。
1000マイルを走り切るためにドライバーに必要なことは、クラシックカーの知識や運転技術の経験に加え、天候、運、助手席に乗るパートナーの助言、大会前の整備体勢など様々な要素が必要となります。クラシックカーの走る姿は優雅ですが、参加者は白鳥が水面を優雅に移動しているがごとく、水面下では弛まぬ努力をして、このお祭りに挑み続けます。

現在、音楽を聴く場合、自分の好きな楽曲のCDを選び、ボタンひとつで誰もが容易に楽しむことが出来ますが、一昔前はLPをジャケットから慎重に取り出し、震える手でアームを取り、針をそっとレコード盤に置き、好きな音楽を堪能したものです。不便で手間がかかろうと、多少のスクラッチノイズがあろうと、そこから流れてくる音楽が私たちに癒しの時間を与えたことは、青森から博多の距離に相当する1000マイルへの挑戦が、手間や苦労はあれども、参加者に忘れかけていた冒険心を呼び起こさせ、愛車と向き合う時間の楽しみを与えることに似ています。

名器や傑作といわれる楽器や絵画、彫刻などの芸術作品は、人間の手によって創造され、現代まで引き継がれていますが、参加する多くの車もほとんどが手作りによるもので、コンピューターがない代わりに偉大な作者の魂があります。
だからこそ、古い車達は実に個性に溢れ、人々を魅了するのかも知れません。

温故知新、伝統は受け継がれるがごとく、美しい車達を次世代に文化財として残すべく、我々はこのLa Festa―お祭り―を継続して参ります。

La Festa Mille Miglia 2010 組織委員会